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2009年03月19日

◆小説「新・人間革命」[潮流45]

◆小説「新・人間革命」
3月19日
[潮流45]
 ジェイ・ハーウェルは、火災などにつながりかねないものはないか、あらためて入念にチェックするように伝えた。
 
 浮島に到着した山本伸一は、辺りに、焼け焦げた臭いが漂っているのを感じた。
 
 「安全は確認できているね。大丈夫だね」
 
 伸一は、ステージの脇で迎えてくれた役員の青年に、小声で尋ねた。
 
 「はい。もう大丈夫です」
 
 その言葉を聞くと、一瞬、伸一の目が鋭く光った。
 
“何かあったな”と思ったが、黙って頷いた。
 
 リーダーには、微細な変化や異常を見逃さぬ敏感さがなくてはならない。
それが皆の安全を守るうえでの要件といってよい。
 
 一行が着席するのを待って、全米総会の開会が宣言された。
 
 最初に、開催地ホノルル市のリチャード・シャープレス市長代行があいさつに立った。
 
 「“人種の融合地帯”とも言われるハワイの地を、建国二百年前年祭の一環として行われるコンベンションの開催地に選んでいただきましたことを、このうえない喜びとするものであります。また、私どもは、人類の平和を追求する皆様の運動に賛同するものであり、心から歓迎申し上げます」
 
 まさに、このコンベンションが、社会に開かれた地域行事であることを象徴する、あいさつであった。
 
 続いて、ハワイ州を代表して、ジョージ・アリヨシ州知事が登壇した。
 
 州知事は、世界から集ったメンバーを、心から歓迎したいと述べ、ハワイに脈打つ「アロハの精神」について紹介していった。
 
 「アロハの精神は、人種、言語等、一切の差別を超えて、人間がお互いに人間として手を結び合うところに、意義があります」
 
 さらに、「学会の仏法運動に、その昇華された姿を見る思いがします」と述べ、SGIに大きな期待を寄せたのである。
 
 深い洞察であると、伸一は思った。
広宣流布とは、人間の融合の潮流なのだ。
 
【聖教新聞】



 
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